春、ハナ満開

風呂場で遊ぶハチ。
しかも、今日はハチの好きな花がいっぱいです。

（なあ、にーちゃん、生けないなら花ちょうだい）

だーめ、これは今から飾るものだから。

（ふーん、じゃあ残ったらちょうだいね）

了解。

（どれもらおうかなー）

ちょっと気が早いんじゃない？

（お、それなに？）

これはハサミ。近づくとヒゲが切れるよ。

（おりょ、このピンクのいいねぇ）

ああ、それは桃ね。もう終わりかけだけど。
きれいでしょ。
あ、あんまり揺すらないでくれよ。
花がすぐ落ちるから。
しょうがないねえ、じゃあこれでも。

（お！　いぇ！　アカヅルだーい）

（ひゃっほー）

（うっひょー、たーのしー）

（あれ、入ってしもた……）

（とれんよー）

（ねー、にーちゃん、もう一回アカヅルくれろ）

あとでねー。
ん？　ハチくん、鼻まっかかだねー。
ちょうどよかった、赤色の花をほしかったんだよ、なんて。

（……さぶ。もういらない。）